ウィスキー

米、ウルグアイの片田舎に、年老いた二人の兄弟と中年女が暮らしている。ハコボは、父親から譲り受けた小さな靴下工場を細々と経営している。その工場では、中年女性マルタが助手として働いている。彼女はひかえめだが、とても忠実な人物である。ハコボの一日の大半は、彼女に用件を言うことで過ぎていく。ある日、弟のエルマンが亡くなった母親の墓石の建立式にやってきた。彼は外国暮らしで長い間疎遠になっている。ハコボは弟が滞在する間、マルタに夫婦の振りをして欲しいと頼むのだった。彼女はすんなりとハコボの申し出を受け入れ、二人は結婚指輪をはめたり、一緒に写真を撮ったりと、偽装夫婦の準備を始める。これもみんなハコボの見栄っ張りのせいだ。無事建立式も終わったある日、遊び好きなエルマンは、この三人で海辺への小旅行に行くというを提案する。無口な性分のハコボとマルタではあったが、今までは知ることのなかった本来の姿を次第に現し始めるのだった。