ゴッド･ディーバ

2095年のニューヨーク。そこは人間とミュータントとエイリアンが暮らす混沌とした世界だ。人間たちは人工臓器や人工皮膚を買いあさり、危険な肉体改造に夢中になっている。セントラル・パークは、宇宙から現れたと言われる謎のエリアとなり、雪と氷に覆われている。また、ハドソン河上空に出現した巨大なピラミッドが人々の関心を集めていた。ヒトの体と鷹の頭をもつ古代エジプトの神ホルスは、美しい女ジル・ビオスコップを捜し出そうとしていた。実験用に捕われていたジル。彼女は自分が何者なのかも、どこから来たのかも覚えていない。エルマ医師は、レベル２のホテルの一室を彼女に与え、研究対象になってもらう。そのレベル２では猟奇的な連続殺人が発生しており、フローブ刑事が捜査に着手する。そんな時、空中刑務所の冷凍冬眠コンテナが突如地上に落下する。コンテナから開放された政治犯ニコポルが意識を取り戻したとき、彼の目の前にはホルスがいた。ホルスは彼の肉体に入り込むと、レベル3にあるティコ・ブラエ・バーでジルを待つよう指示する。そこでニコポルは一目でジルの美しさに魅了される。ジルの謎、不思議な能力。すべてを受け止め、彼女の孤独な心を愛で包み込もうとするニコポル。彼を通して愛の意味を学んでゆくジル。だがふたりが心を通わせることができるのは、ホルスがニコポルのコントロールを解いている時だけであった。