恋愛適齢期

(C)2003 Warner Bros. Ent
いずれ劣らぬ芸達者による、ちょっと大人の恋愛ドラマ。恋をすること、そしてその恋を楽しむことは、なにも若い人たちだけの特権ではないという、人生の終盤に差し掛かったおじさん、おばさんにとってなんとも頼もしく、自信がよみがえって、元気をもらえる有難い映画だ。ここのところのジャック・ニコルソンは、恋愛小説家やアバウト・シュミットで見せた、ちょっと癖のある、それでいて憎めない、軽いけれど深みのある性格をうまくだしていたが、今作の主人公もその延長線上にある存在と思えばいいか。ただ彼ほどの役者だからこそなお、同種の作品ながら、異種の演じ方を期待したい部分もあって、うまいなあと感心しながらも、もっともっとと、欲張ってしまう。ここらが演技派のつらいところかも。対してダイアン・キートンは、文句なしの快演。もう自分にとって恋など無縁と思っていたところへ舞い込んだ心の揺れとときめきを、自然体で表現し切っていることの見事さ。たまらないほどの可愛さがあふれている。 恋に年齢制限なんてあるわけない。たとえいくつになろうとも人はいつでも恋愛適齢期。 ナンシー・メイヤーズのすばらしい脚本と演出がキラキラ輝いているラブ・ストーリーの傑作。

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