グッバイ、レーニン!
東ベルリンのテレビ修理店に勤める青年、アレックス。彼の父は、10年前に家族を捨てて西側に亡命。母のクリスティアーネは、その反動で西側を嫌悪するようになったが、アレックス自身は世の中の変化を敏感に察していた。建国40周年を祝う盛大な記念式典が行われた1989年10月7日の夜、大規模なデモの嵐が巻き起こった。アレックスも、東ベルリンの街路を行くデモ隊の列に加わったのだが、警官ともみあう彼の姿を、偶然にもクリスティアーネが目撃。ショックで心臓発作を起こし、昏睡状態に陥ってしまう。それを自分の責任だと感じたアレックスは、意識のない母に毎日のように語りかけ、必死に看病を続けた。11月9日、ベルリンの壁が崩壊。東ベルリンには資本主義の波が押し寄せてきた。アレックスの姉アリアネはバーガーキングに勤め、アレックスも衛星アンテナのセールスマンに転職。8ヵ月後、クリスティアーネが奇跡的にめざめた。「もう一度、強いショックを与えたら命取りになる」。医者の言葉に、東ドイツの崩壊を知ったときの母のショックを考え、母を自宅に連れ帰り、世の中が何ひとつ変わっていないフリをしようと決意した。スーパーでは西側の商品で埋め尽くされ、東ドイツのコーヒーやピクルスはもはや手に入られない。「テレビが見たい」という母の要求には困り果てるが、デニスの編集したニュースをビデオで流すことで母の目をごまかすことに成功する。ある時、母親はアパートの外へ出てしまい、西側の商品が並ぶ光景に驚いたが、「西ドイツの難民を、東ドイツが受け入れている」というニュースをでっちあげた。しかし、それももう限界。ララやアリアーネがすすめるとおり、本当のことを打ち明けることにしたが、クリスティアーネが先に話し始めた。彼女の口から語られた衝撃の真実―それは、10年前の父の亡命にまつわるものだったのだ。
- 公開日
- 2004年2月21日(土)
- 監督
- ヴォルフガング・ベッカー
- 脚本
- ヴォルフガング・ベッカー
- 撮影
- マルティン・ククラ
- 音楽
- ヤン・ティルセン
- 出演
- ダニエル・ブリュール カトリーン・ザース マリア・シモン チュルパン・ハマートヴァ フロリアン・ルーカス アレクサンダー・ベイヤー ブルクハルト・クラウスナー フランツィスカ・トレグナー ミヒャエル・グヴィスデク
- 製作年
- 2003
- 製作国
- 独
- 原題
- GOOD BYE, LENIN!
- 上映時間
- 121
- INTRODUCTION
- 2003年2月、ドイツ国内で公開されるや、たちまち歴代の興行記録を塗り替えるメガ・ヒットを飛ばし、その年のドイツ・アカデミー賞の9部門を独占した。また、ベルリン映画祭で最優秀ヨーロッパ映画賞を受賞。ベルリンの壁崩壊と東西ドイツ統一を背景に、一人の青年の生き方を綴った感動作である。好青年のアレックスを演じるのは、本作でドイツアカデミー賞の主演男優賞を受賞したダニエル・ブリュール。その母クリスティアーネに扮するのはカトリーン・ザース。アレックスと恋におちるロシア人看護婦の役で、『ルナ・パパ』『ツバル』のチュルパン・ハマートヴァが出演。監督は、ヴォルフガング・ベッカー。『ラン・ローラ・ラン』のトム・ティクヴァやシュテファン・アルントらと共にXフィルムを創設している。撮影は、そのベッカーと全作品でコンビを組んでいるマルティン・ククラが担当。編集は、本作でドイツ・アカデミー賞最優秀編集賞を受賞したぺーター・R・アダムが手がけている。音楽は、『アメリ』のヤン・ティルセンが参加。ドイツ映画のクオリティの高さを見せつけ、早くも来年のアカデミー賞外国語映画賞ドイツ代表に決定した。
- STORY
- 東ベルリンのテレビ修理店に勤める青年、アレックス(ダニエル・ブリュール)。彼の父は、10年前に家族を捨てて西側に亡命。母のクリスティアーネ(カトリーン・ザース)は、その反動で西側を嫌悪するようになったが、アレックス自身は世の中の変化を敏感に察していた。建国40周年を祝う盛大な記念式典が行われた1989年10月7日の夜、大規模なデモの嵐が巻き起こった。アレックスも、東ベルリンの街路を行くデモ隊の列に加わったのだが、警官ともみあう彼の姿を、偶然にもクリスティアーネが目撃。ショックで心臓発作を起こし、昏睡状態に陥ってしまう。それを自分の責任だと感じたアレックスは、意識のない母に毎日のように語りかけ、必死に看病を続けた。11月9日、ベルリンの壁が崩壊。東ベルリンには資本主義の波が押し寄せてきた。アレックスの姉アリアネはバーガーキングに勤め、アレックスも衛星アンテナのセールスマンに転職。8ヵ月後、クリスティアーネが奇跡的にめざめた。「もう一度、強いショックを与えたら命取りになる」。医者の言葉に、東ドイツの崩壊を知ったときの母のショックを考え、母を自宅に連れ帰り、世の中が何ひとつ変わっていないフリをしようと決意した。スーパーでは西側の商品で埋め尽くされ、東ドイツのコーヒーやピクルスはもはや手に入られない。「テレビが見たい」という母の要求には困り果てるが、デニスの編集したニュースをビデオで流すことで母の目をごまかすことに成功する。ある時、母親はアパートの外へ出てしまい、西側の商品が並ぶ光景に驚いたが、「西ドイツの難民を、東ドイツが受け入れている」というニュースをでっちあげた。しかし、それももう限界。ララやアリアーネがすすめるとおり、本当のことを打ち明けることにしたが、クリスティアーネが先に話し始めた。彼女の口から語られた衝撃の真実―それは、10年前の父の亡命にまつわるものだったのだ。
- CASTING
- ●アレックス:ダニエル・ブリュール 1978年6月16日生まれ。西独出身。 1995年に映画デビュー。01年『Nichts bereuen』でドイツ映画賞の主演男優賞、『Das Weise Rauschen,』でババリアン映画賞のベスト・ヤング・アクター賞、『Vaya con Dios』でドイツ映画批評家協会賞の主演男優賞を受賞。本作でもドイツ映画賞の主演男優賞を受賞。主な出演作は、『Schlaraffenland』(98)、『Deeply』(99)、『Schule』('00)など。 ●アレックスの母:カトリーン・ザース 1956年10月23日生まれ。東独出身。1979年、『Bis das der Tod euch scheidet』で映画デビュー。1981年『Burgschaft fur ein Jahr』でベルリン映画祭の主演女優賞を受賞。1998年『Sperling und der brennende Arm』でドイツ・テレビ賞の助演女優賞を受賞した。本作でも、ドイツ映画賞の主演女優賞候補になっている。 ●ララ:チュルパン・ハマートヴァ 1975年10月1日生まれ。旧ソ連のモスクワ出身。 ロシア・アカデミーの演劇学科で演技を学び、モスクワのルナ劇場で数々の舞台に出演。『Vremyatantsora』(98)『Strana glukhikh』(98)を経て、『ルナ・パパ』(99)に主演。オンフルール・ロシア映画祭の主演女優賞、モスクワのフェイス・オブ・ラブ映画祭の主演女優賞に輝いた。 ●アリアネ:マリア・シモン エルンスト・ブッシュ演劇学校を卒業後、TV作品に出演。ジュディス・ケンネル監督の『Zornige Kusse』(99)でモスクワ映画祭の主演女優賞を受賞。02年には、『Erste Ehe』でマックス・オフュルス・フェスティバルの新人女優賞を受賞した。
- 配給会社
- 20世紀フォックス映画