かまち
1970年半ば。群馬県高崎市の中学に通う山田かまち。彼の口癖は「1日が24時間じゃ足りない」。詩を書き、絵も描き、音楽にも熱中している彼には時間が足りないのだ。そんな彼にも高校受験という現実がたちはだかる。かまちはノートに決意表明を書き付ける。“ぼくは東大理三現役合格する”。そしてもう一行を書き足した。“ぼくは<ワールド>トップミュージシャンになる”。しかし、かまちは受験に失敗する。その報告にいった彼の小学校時代の先生は、「ただの受験生は人間と競争する。だが本物の画家や詩人は神様と競争するんだ」と話す。浪人生活を始めたかまちは、予備校で医者志望の飯島隆と親しくなる。そしてもうひとつの出会いが彼を待っていた。彼が“白玉”と呼ぶ美少女、菅野洋子。かまちは彼女への恋心を飯島に明かす。“オレにはきれいなものが必要なんだ!”。20数年後。笛吹男と名乗る引きこもりの少年が、ホームページ上で、“苦しむ日本の少年少女たち”に“アナザ・ワールド”へ行こうと誘いかけている。少年は隆の息子・俊だった。そのホームページの訪問者に洋子が講師を務める塾の生徒、木下みゆきと佐山勇一がいた。みゆきは笛吹男の通信販売で手に入れた薬を飲んで倒れているところを、洋子に助けられる。回復したみゆきに、洋子は長い間心の奥にしまいこんで、忘れたつもりになっていた、かまちとの思い出を彼女に語り聞かせるのであった。
- 公開日
- 2004年2月28日(土)
- 監督
- 望月六郎
- 撮影
- 今泉尚亮
- 製作年
- 2003
- 製作国
- 日本
- 上映時間
- 115
- INTRODUCTION
- 伝説の天才アーティスト、山田かまち。17才という若さで生涯を閉じた彼の疾風のごとく駆け抜けた人生を描いた作品だ。2才から絵を描き、小学生で詩を創作し、音楽に目覚めて青春を駆け抜けた。彼の生き方に共鳴する若者たちが、現れ、「かまち」は現代に甦ったのだ。かまちが残した膨大な作品は、美術館や展覧会で多くの人々を集め、書籍にもなり、朗読CDにもなっている。彼を特集した情報番組も作られた。だが、かまちの人生をドラマ化したのは、実はこの映画が初めてである。かまちの時代を「かまち」とともに生きた若者たち、今という時代を「かまち」とともに生きようとする若者たち。その両者を同じ目線で描いているのである。かまちを演じる谷内伸也の語りに乗せて、詩のことばがスクリーンに紡がれていく。BONNIE PINK、アナム&マキが、かまちの愛してやまなかったビートルズの楽曲“プリーズ・ミスター・ポストマン”“ツイスト・アンド・シャウト”をカヴァーしている。現代の場面では、望月六郎監督のアイデアでLeadがかまちの詩「嵐の日々」をラップで熱唱するという大胆な試みも行われた。これまで映像化を断り続けてきたかまちの実母・山田千鶴子さんも絶賛する、青春映画が誕生した。
- STORY
- 1970年半ば。群馬県高崎市の中学に通う山田かまち(谷内伸也)。彼の口癖は「1日が24時間じゃ足りない」。詩を書き、絵も描き、音楽にも熱中している彼には時間が足りないのだ。そんな彼にも高校受験という現実がたちはだかる。かまちはノートに決意表明を書き付ける。“ぼくは東大理三現役合格する”。そしてもう一行を書き足した。“ぼくは<ワールド>トップミュージシャンになる”。しかし、かまちは受験に失敗する。その報告にいった彼の小学校時代の先生は、「ただの受験生は人間と競争する。だが本物の画家や詩人は神様と競争するんだ」と話す。浪人生活を始めたかまちは、予備校で医者志望の飯島隆と親しくなる。そしてもうひとつの出会いが彼を待っていた。彼が“白玉”と呼ぶ美少女、菅野洋子(姫野史子)。かまちは彼女への恋心を飯島に明かす。“オレにはきれいなものが必要なんだ!”。20数年後。笛吹男と名乗る引きこもりの少年(中土居宏宜)が、ホームページ上で、“苦しむ日本の少年少女たち”に“アナザ・ワールド”へ行こうと誘いかけている。少年は隆の息子・俊だった。そのホームページの訪問者に洋子(檀ふみ)が講師を務める塾の生徒、木下みゆき(大沢あかね)と佐山勇一(古屋敬多)がいた。みゆきは笛吹男の通信販売で手に入れた薬を飲んで倒れているところを、洋子に助けられる。回復したみゆきに、洋子は長い間心の奥にしまいこんで、忘れたつもりになっていた、かまちとの思い出を彼女に語り聞かせるのであった。
- CASTING
- ●山田かまち:谷内伸也(Lead) 本作が映画初出演。かまちの17年間の生涯を、映画初出演&初主演のプレッシャーを押しのけて、体当たりの演技で挑んでいる。 ●佐山勇一:古屋敬多(Lead) 約25年前、同じように悩みを抱いていたであろう、かまちとの対比の中で、[現代]を象徴する人物像として大きな役割を担う役柄である。 ●浩介:鍵本 輝(Lead) 音楽に傾倒し、かまちですら羨望の目を向けるポジティブでスマートな役柄をクールに演じこなしている。 ●飯島俊:中土居 宏宜(Lead) パソコンを通じてしか外部と接触せず、顔には病的で神経質な癖、という現代人の象徴ともとれる役柄に工夫を凝らしながら挑戦している。 ●木下みゆき:大沢あかね 山田かまちの生き方に心打たれてゆくその微妙な内面を、抜群の演技力で繊細に表現している。 ●菅野洋子:檀ふみ かつてかまちに愛され、教師として現代を生きる菅野洋子を演じる。若者達が持つ不安や葛藤に過去の自分、そしてかまちの心を重ね合わせながら彼等をやさしく包み込む。 ●菅野洋子:姫野史子 浪人時代のかまちが熱烈に恋焦がれた女性、菅野洋子役。エネルギッシュな彼の心を今尚忘れずに生きる洋子役は、過去から現代にその精神をつなぐ本作のキーとなる。
- 配給会社
- 角川ヘラルド映画