いつかA列車(トレイン)に乗って
昭和の面影を色濃く残す店、ジャズBAR「A-TRAIN」。店には、サックスとピアノのリハの音色が流れている。梅田茂一郎が店に入ってきた。“指定席”につく梅田は、開店前から座る常連客のひとりだ。そして、ジャズ・クラブでの演奏を聴きに客が次々と訪れる。志賀の恋人・洋子もやって来た。また、現役を引退した元検事の平松は、人生の忘れ物を探すために大好きなジャズを聴き、酒を飲みにくるのだ。新しいお店をオープンさせようと意欲を燃やしているベティ、恋人鱒見と駆け落ちしようか迷っている店に勤めるユキ、幼い娘を抱えたシングルマザーで専属歌手のアンナ、そして、楽屋に住み込み作曲の勉強をしながら店で働く健。「A-TRAIN」には、それぞれ人生に迷い、悩みを抱える客が人間模様を織りなしている。
- 公開日
- 2003年12月20日(土)
- 監督
- 荒木とよひさ
- 脚本
- 灘千造
- 撮影
- 岡雅一
- 音楽
- デニスアンドマミ
- 製作年
- 2003
- 製作国
- 日本
- 原題
- TAKE THE A-TRAIN, SOMEDAY
- 上映時間
- 103
- INTRODUCTION
- ジャズBAR「A-TRAIN」に訪れる客、それぞれの人生、女と男の愛と人間模様を情感豊か描いた作品だ。内田吐夢監督の珠玉の名作『たそがれ酒場』(1955年)をリメイクしたもので、荒木とよひさの初監督作品。人と人との繋がりが希薄になった現代にこそ、人との関わりが呼び込む感動や痛み、想い出の記憶、その温もりと人生を描きたいと、自ら企画しメガホンをとったという。キャストは、監督の想いに賛同し、津川雅彦、小林桂樹、峰岸徹などの豪華キャストが集まった。他、『キル・ビル』の栗山千明、華麗な歌姫を演じる真矢みき。さらに、荒木と長年タッグを組んできた日本歌謡界の重鎮・三木たかしが音楽監修、渡辺匡として演技も披露している。サックス奏者加藤大治郎、佐々木エヘラ俊一、松林末太郎といった豪華ジャズメンも参加。それぞれの個性がそれぞれ表現され、見ごたえある作品に仕上がっている。
- STORY
- 昭和の面影を色濃く残す店、ジャズBAR「A-TRAIN」。店には、サックスとピアノのリハの音色が流れている。梅田茂一郎(津川雅彦)が店に入ってきた。“指定席”につく梅田は、開店前から座る常連客のひとりだ。そして、ジャズ・クラブでの演奏を聴きに客が次々と訪れる。志賀(愛川欽也)の恋人・洋子(神野美伽)もやって来た。また、現役を引退した元検事の平松(小林桂樹)は、人生の忘れ物を探すために大好きなジャズを聴き、酒を飲みにくるのだ。新しいお店をオープンさせようと意欲を燃やしているベティ、恋人鱒見(俊藤光利)と駆け落ちしようか迷っている店に勤めるユキ(栗山千明)、幼い娘を抱えたシングルマザーで専属歌手のアンナ、そして、楽屋に住み込み作曲の勉強をしながら店で働く健。「A-TRAIN」には、それぞれ人生に迷い、悩みを抱える客が人間模様織りなしている。
- CASTING
- ●津川雅彦(梅田茂一郎) デビューは56年の日活映画『狂った果実』。松竹のヌーベルバーグ作品をはじめ伊丹十三監督作品にも数多く出演する。主な作品は『ひとひらの雪』『マルサの女』『墨東綺譚』『集団左遷』『スーパーの女』『プライド』など。 ●加藤大治郎(丸山健一) 1975年東京生まれ。加藤剛を父にもつ。99年に東京音楽大学サキソフォン科を卒業後、アルトサックス奏者としてプロ活動を始める。その後俳優デビュー、映画、テレビドラマ、舞台に出演している。 ●真矢みき(アンナ) 1981年宝塚歌劇団入団。1995年「エデンの東」の主役で花組トップスター。1998年歌劇団初の武道館コンサートを行い、成功をおさめる。退団5年後の今年、『踊る大捜査線THE MOVIE 2』の女性管理官役で映画デビュー。 ●小林桂樹(平松) 1923年群馬県生まれ。42年、古賀聖人監督『微笑の国』で映画デビュー。52年東宝に入社後、『社長』シリーズで大成功を納める。映画の代表作として『裸の大将』(画家・山下 清役)『黒い画集』『あの夏の日』など。 ●愛川欽也(志賀) 1934年東京都生まれ。70年前後からラジオDJ、テレビ司会者として売れっ子になり、キンキンの愛称で根強い人気を誇る。映画の企画、出演、監督なども多い。 ●栗山千明(ユキ) 1984年茨城県生まれ。長崎俊一監督『死国』、深作欣二監督『バトル・ロワイアル』に出演後、クエンティン・タランティーノ監督『キル・ビル』で海外デビューを果たす。