サロメ

舞踏家アイーダ・ゴメスは、舞台『サロメ』のリハーサルに余念がない。一方で、舞台を演出する監督は、舞台の模様を撮影して映画にしようとする。
公開日
2003年11月8日(土)
監督
カルロス・サウラ
脚本
カルロス・サウラ
撮影
ホセ・ルイ・ロペス・リナレス
音楽
ロケ・バニョス
出演
アイーダ・ゴメス ペレ・アルキリュエ パコ・モラ カルメン・ビリェナ ハビエル・トカ
製作年
2002
製作国
スペイン
原題
SALOME
上映時間
87
INTRODUCTION
世紀末文学、あのオスカー・ワイルドの傑作「サロメ」。アカデミー賞最優秀外国語映画賞ノミネート作品の『カルメン』(83年)、『タンゴ』(98年)などの傑作を世に送りだし、これまでで四度ものオスカーノミネートを受けたスペインの巨匠カルロス・サウラが、この傑作をフラメンコとバレエの華麗なる融合によって蘇らせた。元スペイン国立バレエ団芸術監督にして伝説的フラメンコ・ダンサーのアイーダ・ゴメスの才能とカルロス・サウラの才能が共鳴し合って織り上げた究極の愛と欲望と死の物語だ。フラメンコとバレエの融合による舞台「サロメ」の演出をアイーダ・ゴメスから依頼されたカルロス・サウラ監督は、平行してフィクション映画を製作するアイディアを提案する。こうして映画『サロメ』は、舞台「サロメ」の創造の過程で創造され、同時に誕生した。アイーダの踊りは、音楽や光と影を基調とする大胆な演出と融合し、セリフのない、しかし言葉以上に雄弁な物語を語り、見る者を圧倒するのだ。この官能的で幻想的な世界は、早くも世界の話題を呼び、2002年モントリオール映画祭芸術貢献賞を獲得。さらに、2000年ラテン・グラミー賞を獲得したフラメンコ・ギターの名手トマティートが音楽を担当、哀しく深みのある独創的なサウンドは、スペインのアカデミー賞にあたる2003年スペイン・ゴや賞最優秀オリジナル・ソングに輝いている。
STORY
王女サロメ(アイーダ・ゴメス)は、ガリラヤの領主である義父ヘロデ王(パコ・モラ)の心を、その妖しい美しさで奪って離さない。ヘロデは、自身の誕生祝の宴で、サロメの踊りを所望するが、サロメはいかなる褒美を与えると言われても、首を縦に振ろうとしないのだった。彼女の心は、洗礼者ヨハネ(ハビエル・トカ)ただひとりに向けられていたのだ。サロメはあらゆる手でこの聖者を誘惑する。しかし、神のもとで生きるヨハネにはその試みは空しく届かず、サロメは苛立ちと怒りとで身悶えする。そこで、ヘロデの願いを叶える決心をしたサロメは、七重の薄衣をまとってその前に立つ。官能と刺激に満ちた妖艶な七つのペールの踊り。苦悶に身をそらせ、歓喜に酔いしれ、怒りに床を打ち鳴らす。欲望がほとばしり、リズムが高まり、衣が捨て去られて行く。最後の一枚まで脱いだサロメの裸身が月光につつまれた。あまりの美しさと激情の表現に一瞬動きを止めるヘロデだが、満場の喝采に我に返ると、サロメに望みのものを問いかけた。サロメは、ヘロデをしっかりと見据え、洗礼者ヨハネの首を要求したのだった。
CASTING
●アイーダ・ゴメス 1998年から、2001年までスペイン国立バレエ団の芸術監督を務めた世界的舞踊芸術家、振付家。1985年、スペイン国立バレエ団のファースト・ダンサーとなり、リヨン・ビエンナーレ、ニューヨークのメトロポリタン・オペラ・ハウス、東京のオーキッド・ホールなど、世界の名劇場の舞台に立つ。スペインの最も優れた舞踊芸術家とコラボレーションを実現し、97年にはモーリス・ペジャールが主宰する舞踊学校「Rudras Bejart」にスペイン舞踊の特別教授として招聘される。98年、マックス賞(ベスト・ダンサー・オブ・ザ・イヤー)受賞。 ●ペレ・アルヴェンチュラ ヴェンチュラ・ポンズ監督の「El poreuc de las cosas」(95)、カルロス・サウラ監督の「Bunuel and King Salomons Table」(00)に出演。
配給会社
角川ヘラルド映画

ShareSNSでシェアしよう!

TOP