歌追い人

公開日
2003年11月8日(土)
監督
マギー・グリーンウォルド
脚本
マギー・グリーンウォルド
撮影
エンリケ・シャディアック
音楽
デヴィッド・マンスフィールド
出演
ジャネット・マクティア エイダン・クイン パット・キャロル エミー・ロッサム
製作年
2000
製作国
原題
SONGCATCHER
上映時間
109
INTRODUCTION
電気録音も音楽産業もない時代、100年ほど昔のアメリカ、ノースカロライナ州。アパラチアの山中で“幻の歌”に出会い、“歌を集める”ひとりの音楽学者がいた。彼女が山の人々の生き方と音楽に出会うことで、自分の中に眠っていたエモーションを見つけ、心で生きることを学ぶ物語である。その音楽学者リリー・ペンレリックに、トニー賞・ゴールデングローブ賞受賞者でアカデミー賞ノミネートにも輝く英国出身の名女優ジャネット・マクティアが演じている。共演には、『マイケル・コリンズ』『ミュージック・オブ・ハート』などの人気俳優エイダン・クイン。見事な歌声を披露し、観客を魅了する天才少女エミィ・ロッサムは、この映画がデビューである。そして、山の老女ヴァイニーに扮するのは、パット・キャロル。エミー賞・グラミー賞の受賞者であるパット・キャロルはまさにアメリカのショウビズの生き字引だ。また本作では、オペラ出身のエミィ・ロッサムだけでなく、エイダン・クイン、そしてもちろんパット・キャロルも味わい深い歌声を聞かせる。彼ら主演陣のアンサンブルの素晴らしさにサンダンス映画祭は特別審査員賞を授けている。監督は前作「The Ba11ad of Little Jo」で、サイレント時代以来初、という女性の脚本・監督による西部劇を発表し、大絶賛されたマギー・グリーンウォルド。撮影には、『ハリケーン・クラブ』などモーガン・J・フリーマン監督作品で高く評価される気鋭のエンリケ・チェディアクがあたり、アパラチアの孤高ともいえる美しさを存分に捉えている。音楽監督は、グリーンウォルド監督の夫であり、『天国の門』などで知られるデイヴィッド・マンスフィールド。素晴らしいバラッドの数々を選曲、アレンジし、土地の空気を映すような美しいオリジナル・スコアも提供している。
STORY
音楽学者リリー(マクティア)は、ニューヨークの大学で主任教授への昇進を望んでいたが、女性だからという理由で却下された。そして、ニューヨークの生活に絶望を感じたリリーは、妹が入植地の教師をしているノースカロライナ州の遥かアパラチアヘと向かうのだった。妹のエレノアは“エルナ”と呼ばれ、同僚のハリエット、孤児のディレイディスとともに暮らしていた。リリーは、彼女の歓迎のためにと歌ったディレイディスの歌の素晴らしさに驚いた。それは学界ではすでに失われた歌とされていた、200年以上前のスコッツ・アイリッシュ移民の伝統歌そのままだったからであった。リリーは、都会から録音機を取り寄せ、山の人々の歌を録音し採譜して出版しようと決意する。リリーは、重く大きな録音機を汗まみれになって運び、あの家からこの家へと訪ねて歩き、村びとに彼らの音楽の素晴らしさを訴えてまわった。村びとに信頼篤い老女ヴァイニー・バトラーは、そんなリリーの頑固な情熱に自分に通じるものを感じ、彼女の“歌集め”に協力するようになる。そして今や優秀な助手となったディレイディスの協力を仰ぎながら、歌の収集を続けた。その中で、リリーは山の人々の厳しい暮らしを目の当たりにする。ある日、村の集会所がわりの納屋でダンスパーティーが開かれた。村人達の数少ない楽しみの一つだ。バンドには、ギターとバンジョーの弾き手であるトムの姿もあった。リリーが村びとに混じってダンスを披露するのを見て、彼女の山の音楽への純粋な尊敬を感じたトムは、しだいにリリーを愛するようになる。
CASTING
●ジャネット・マクティア(リリー・ペンレリック)85年「The Grace of Mary Traverse」でオリヴィエ賞に初ノミネート。92年には「ワーニャ伯父さん」でオリヴィエ賞を獲得。97年にはブロードウェイでイプセンの「人形の家」でトニー賞はじめ数々の賞を独占。99年には「Tumbleweeds」でゴールデングローブ賞に輝くとともにアカデミー賞主演女優賞にもノミネートされた。 ●エミィ・ロッサム(ディレイディス・スローカム) 1986年9月12日、ニューヨーク生まれ。本作が映画デビュー。オペラを学んだ彼女は、メトロポリタン歌劇場でプラシド・ドミンゴと共演し、ジェームス・レヴァイン指揮による「ファウストの劫罰」ではカーネギー・ホールにも出演したキャリアの持ち主。 ●エイダン・クイン(トム・ブラッドソー) 1959年米イリノイ州シカゴに生まれる。84年『俺たちの明日』の主役で映画デビュー。主な出演作は、『マドンナのスーザンを探して』(85)、『わが心のボルチモア』、『妹の恋人』、『瞳が忘れない/ブリンク』、『月下の恋』、『マイケル・コリンズ』、『プラクティカル・マジック』、『フィオナが恋していた頃』、『ミュージック・オブ・ハート』、『夏休みのレモネード』など。 ●ジェーン・アダムス(エルナ・ペンレリック) 舞台「An Inspector Calls」でトニー賞を獲得。主な出演作はトッド・ソロンズ『ハピネス』、ロバート・アルトマン『カンザス・シティ』、アラン・ルドルフ『ミセス・パーカー ジャズエイジの華』。 ●パット・キャロル(ヴァイニー・バトラー) 1927年5月5日、ルイジアナ生まれ。50年以上のキャリアを持つ。55年にブロードウェイ・ミュージカル「Catch a Star」でトニー賞にノミネートされる。TVシリーズ「Caesarユs Hour」(56~57年)でエミー賞受賞、「サタデイ・ナイト・レヴュー」(54年)等でも人気を誇った。舞台では、79年「Gertrude Stein  Gertrude Stein」でグラミー賞を獲得。作ではインディペンデント・スピリット・アワーズ最優秀助演女優賞を受賞している。
配給会社
松竹

ShareSNSでシェアしよう!

TOP