蒸発旅日記
津部は、これまでの暮らしに行き詰まりを感じて旅に出る。持ち金全てと時刻表だけを持って、静子のもとへと旅立った。静子は、顔も知らない、まだ会ったこともない女性。自分の作品の愛読者だということだけだ。
- 公開日
- 2003年7月12日(土)
- 監督
- 山田勇男
- 撮影
- 白尾一博
- 製作年
- 2003
- 製作国
- 日本
- 上映時間
- 85
- INTRODUCTION
- 独特の世界観を描き続ける、孤高の漫画家「つげ義春」。これまで彼の作品は、竹中直人監督「無能の人」、石井輝男監督「ゲンセンカン主人」「ねじ式」などで映画化されてきた。そして今回、ついに多くのファンを持つロングセラー・エッセイの映画版が完成した。「貧困旅行記」の一編「蒸発旅日記」をもとに、漫画作品「必殺するめ固め」「初茸狩り」「西部田村事件」、エッセイ「猫町紀行」などのイメージやエピソードを加えてシナリオ化、待望の作品が誕生した。監督は寺山修司のスタッフとして活躍し、映画「草迷宮」で美術監督もつとめた山田勇男。「アンモナイトのささやきを聞いた」がカンヌ国際映画祭などで話題を呼んだ。美術監督は、「東京流れ者」「ツィゴイネルワイゼン」の木村威夫。鈴木清順をはじめ多くの巨匠たちを支えてきた日本映画界の重鎮だ。助監督は、「書を捨てよ町へ出よう」から「さらば箱舟」まで全ての寺山修司監督作品で助監督をつとめた森崎偏陸。主演には、若手俳優・銀座吟八。ヒロインに抜擢されたのは、写真家の荒木経惟に見出だされた秋桜子(こすもすこ)。墓石を探す老人に田村高廣が扮し作品に厚みを持たせている。
- STORY
- 主人公の津部は、これまでの暮らしに行き詰まりを感じて旅に出る。持ち金全てと時刻表だけを持って、静子のもとへと旅立った。静子は、顔も知らない、まだ会ったこともない女性。自分の作品の愛読者だということだけだ。そんな彼女と結婚すれば、今とは全く異なった人生が開けると思ったのだった。列車に乗った津部は、ちょうど席が一緒になった若い娘に「ふるさとを案内しましょうか?」と誘われる。津部は、「この人についていって結婚するのもいいかな。別の生き方ができるのなら、相手は誰でもいい」と空想する。しかし、すっかり眠り込んで、夜更けに目をさましたとき、その娘の姿はどこにもなかった。静子の住む町の旅館に着いた津部。静子は看護婦として病院に勤務していた。早速病院に電話をして静子を旅館に呼んだ。やってきた静子は、よくしゃべる明るい女性だった。そんな彼女に津部は突然、「泊まれませんか?」と誘うが、無断外泊は禁じられているため、今日は無理だといわれる。そして、静子は「来週の今日、絶対来ます」と約束をして、旅館を去っていった。津部は静子の明るい性格が好みには合わなかったが、結婚しようかなと思った。1週間待つことになった津部は、待ちきれず旅に出ることにした。その旅で彼は、精神病院から抜け出した患者や墓石を探す男、そしてストリッパーの娘と出会うことになるのだった。
- CASTING
- ●銀座吟八 ●秋桜子 ●清水ひとみ ●住吉正博 ●藤繭ゑ ●夕沈 ●飯島大介 ●近藤京三 ●木下真利 ●七海遥 ●和崎俊哉 ●和田幾子 ●田村高廣