パイラン

ボスのヨンシクの縄張りのもとで、しがなく暮らしているイ・カンジェ。未成年にアダルトビデオを売ったかどで逮捕・拘留され、帰ってきたところ、店はもう別の若い店長になっていた。ある日、幼なじみのボス、ヨンシクと久しぶりに酒を酌み交わす二人だったが、ヨンシクから身代わりに刑務所に入ってくれと請われ、大金を代償に引き受ける。アパートを警官が訪れる。ところが警察は、「奥さんのパイランさんが亡くなりました」と告げるのであった。身に覚えのないカンジェだったが、昔小金欲しさに戸籍を貸したことを、思い出した。相手の顔すら見なかったけれど、その女が死んでしまったらしい。パイランが暮らしていた町へと向かう列車の中で、カンジェはパイランの書いた手紙を見つける。「カンジェさんへ 結婚ありがとうございました。結婚してくれたから、韓国で働くことできました」。韓国語を独習しながら、パイランは毎日熱心に働いた。借金を返さなくてはいけないのに、パイランの病気は悪くなっていく。せめて一目、カンジェに会いに行きたいと、パイランは仁川行きのバスに飛び乗った…。 カンジェは葬儀場で冷たくなってしまったパイランにはじめて出会う。 パイランは美しい姿のまま横たわっていた。一度も会ったこともない“妻”は、自分を「世界でいちばんやさしい人」と想ってくれていた。遺骨を抱え、パイランが働いていたクリーニング屋を訪ねたカンジェは、彼女が残した最後の手紙を受け取る。そこにはカンジェへの純な気持ちが切々と綴られていた…。
公開日
2003年6月14日(土)
監督
ソン・ヘソン
脚本
ソン・ヘソン アン・サンフン キム・ヘゴン 浅田次郎
撮影
キム・ヨンチョル
音楽
イ・ジェジン
出演
チェ・ミンシク セシリア・チャン ソン・ビョンホ コン・ヒョンジン キム・ジヨン ミン・ギョンジン キム・ヨンソン
製作年
2001
製作国
韓国
原題
FAILAN/PAILAN
上映時間
115
INTRODUCTION
浅田次郎原作、短編集『鉄道員(ぽっぽや)』に収められた小説「ラブ・レター」。切なく胸に迫る傑作短編を原作に、舞台を韓国に置きかえ、映画として珠玉の作品として誕生した。かつて小金欲しさに中国人女性と偽装結婚したカンジェ。その女の名は「白蘭(パイラン)」。一度も会うことのなかった”妻”パイランが亡くなったと知らされる。彼女が暮らしていた家を訪ねる。部屋には“夫”の写真を飾り、病と闘いながら必至に働いて言葉を覚えていったパイランの最後の手紙があった。そこにはカンジェへの純な気持ちが切々と綴られていた…。主人公カンジェを演じるのは、「シュリ」の北朝鮮兵役で強烈な印象を残したチェ・ミンシク。孤独な中年男を表情豊かに演じ、「彼以外考えられない」はまり役と言える演技で韓国でも絶賛を浴びた。ヒロインには香港で活躍する美人女優セシリア・チャン。未だ見ぬカンジェを想う一途な姿を透明感溢れる演技で表現している。また舞台を韓国に置き換え独自の解釈を加えたソン・ヘソン監督の見事な手腕は、海外でも高く評価された。韓国映画の新たな潮流の中でも、抜群の完成度で、観る者の心を揺さぶる感動作だ。
STORY
ボスのヨンシクの縄張りのもとで、しがなく暮らしているイ・カンジェ。未成年にアダルトビデオを売ったかどで逮捕・拘留され、帰ってきたところ、店はもう別の若い店長になっていた。ある日、幼なじみのボス、ヨンシクと久しぶりに酒を酌み交わす二人だったが、ヨンシクから身代わりに刑務所に入ってくれと請われ、大金を代償に引き受ける。アパートを警官が訪れる。ところが警察は、「奥さんのパイランさんが亡くなりました」と告げるのであった。身に覚えのないカンジェだったが、昔小金欲しさに戸籍を貸したことを、思い出した。相手の顔すら見なかったけれど、その女が死んでしまったらしい。パイランが暮らしていた町へと向かう列車の中で、カンジェはパイランの書いた手紙を見つける。「カンジェさんへ 結婚ありがとうございました。結婚してくれたから、韓国で働くことできました」。韓国語を独習しながら、パイランは毎日熱心に働いた。借金を返さなくてはいけないのに、パイランの病気は悪くなっていく。せめて一目、カンジェに会いに行きたいと、パイランは仁川行きのバスに飛び乗った…。 カンジェは葬儀場で冷たくなってしまったパイランにはじめて出会う。 パイランは美しい姿のまま横たわっていた。一度も会ったこともない“妻”は、自分を「世界でいちばんやさしい人」と想ってくれていた。遺骨を抱え、パイランが働いていたクリーニング屋を訪ねたカンジェは、彼女が残した最後の手紙を受け取る。そこにはカンジェへの純な気持ちが切々と綴られていた…。
CASTING
●チェ・ミンシク 1963年ソウル生まれ。82年に舞台俳優としてキャリアをスタートし、88年に「九老アリラン」で映画デビュー。主な出演作は、『我らの歪んだ英雄』(92)「ナンバー3」(97)、「クワイエットファミリー」(98)、「シュリ」(99)、「酔画仙」(02)など。 ●セシリア・チャン 1980年香港生まれ。CM出演で注目され、チャウ・シンチー監督作品「喜劇王」(99)で映画デビュー。主な出演作は、「星願 あなたにもういちど」(99)、「東京攻略」(00)、「少林サッカー」(01)など。 ●ソン・ビョンホ 1962年生まれ。演技派俳優としてテレビ、映画などで幅広く活躍中。主な出演作に「我らの時代の愛」(94)「ユリョン」(99)「フラワー・アイランド」(01)など。 ●コン・ヒョンジン 1972年ソウル生まれ。中央大学演劇課卒業後、俳優の道へ。主な出演作に「ペパーミント・キャンディー」(99)「燃ゆる月」(00)「ラスト・プレゼント」(01)など。
配給会社
シネカノン

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