駆ける少年
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1985年ナント三大陸映画祭グランプリ受賞。アミール・ナデリ監督の傑作が、ついに日本劇場公開。
70年代初頭のイラン。ペルシャ湾の小さな港町にある廃船で、たった一人で暮らす少年アミルは、ビン拾いや靴磨きでなんとか生計をたて暮らしていた。親もなく、過酷な環境にいるアミルだったが、船や飛行機、外国の写真、チャップリン等の好きなもの、そして同じように天涯孤独の身の上である仲間たちに囲まれ、決して暗い顔をすることなく、彼らと共にありあまるエネルギーを試すように町中を駆け抜けていた。
ある日、アミルは自分が学校へ行っていていい年齢にも関わらず、読み書きができないことに気づき愕然とする。文字を知ることは世界を知ること。アミルは取り憑かれたように字を覚え始める。 そしてアミルは、「火の競走」の日をむかえる。少年たちは天然ガスの炎が轟々と逆巻くなかに置かれた氷の塊を求めて熾烈な競走をくりひろげる。