キャスト・アウェイ
「フォレスト・ガンプ/一期一会」でアカデミー賞を獲得してから6年、そのコンビが再びアカデミー賞最短候補との呼び声も高い意欲作を送り出してきた。
分刻みで行動しなければならない、極めて多忙な現代ビジネスマンが、たった一人で孤島に取り残されたら。そして社会とまったく隔絶された孤独のなかで、時間だけがあり余る環境に置かれたら。このアイデアに魅力を感じたトム・ハンクスは自ら製作にも加わるほど入れ込んだという。そして、ゼメキスというアカデミー賞コンビを監督に迎えることによって、一挙にプランは具体化していった。
超多忙な現代ビジネスの現場から究極のサバイバルへ、そして再び現代社会へ、その劇的な転変の中で、主人公が感じる精神世界とは何だろうか?あまりに今的なこのテーマを、トムは過去二度のアカデミー賞受賞演技をはるかに超えると評される、圧倒的迫力で演じきっている。また、監督ゼメキスは、この無人島生活と現代というギャップを表現するために、撮影中あえて1年間のブランク期間を設けたという。常識では考えられないこのような製作過程を経たからこそ、トムのあの演技が発揮されたのだろうし、作品全体にリアリティと、観るものに迫ってくる強烈なインパクトが備わったのだろう。
ラストシーン、荒野を貫く四叉路の真中に立つ彼の胸中に湧き上がる思いはなんだろうか?ひときわ印象的なシーンになっている。
- 公開日
- 2001年2月24日(土)
- 監督
- ロバート・ゼメキス
- 撮影
- ドン・バージェス
- 音楽
- アラン・シルヴェストリ
- 製作年
- 2000
- 製作国
- 米
- 原題
- CAST AWAY
- 上映時間
- 144
- 配給会社
- UIP