旅情
(C)1959 角川映画
杉田真弓はアメリカ本土からの帰途ハワイに立ち寄った。ハワイにはかつての彼女の恋人、三上俊一がいた。双葉流の家元として生花の海外紹介が目的で海を渡った彼女ではあったが、三上をたずねて立ち寄ったハワイがむしろ主なる目的地であったかも知れなかった。彼女のすべてを捨てた努力で双葉流は勢を得て来た。しかし今は、かつて彼女を失い失意のままにハワイに来た三上に会うことにただ心を傾けていた。報道陣の出迎えはにぎやかだった。しかしその夜三上は彼女の前に現われなかった。ハワイでの彼女の一週間が始まった。生花展を開くことになったデパートの社長が彼女に三世の日本娘浦辺純子を紹介した。純子の案内で行った酒場で真弓は酔った三上に会った。しかし三上は冷たかった。が、三日目、三上は真弓をホテルに訪れた。真珠湾、ハナウマビーチ、ヨットハーバーに二人の恋は激しく燃えた。