七人のあらくれ

(C)KADOKAWA 1961
植田二尉は通称“ゲタ”と呼ばれる雑役専門の老朽船の艇長として横須賀に赴任して来た。その日、グレン隊にからまれた女子高校生を救ったことから、海軍食堂“みかさ”の主八木親娘と知りあった。艇長代理だった小田切三尉は学校出の若造がと植田の赴任が面白くない。乗組員一同も同じ気持だった。植田は赴任以来、容易でないことを痛感した。そんな植田を励ますのが、八木親娘だった。訓練の日が来た。艇尾に標的を曳船してのろのろ進むゲタのブリッジで米山一曹を前に、測距テストの杉浦一曹はさっぱり適中しない。華やかな艇長姿を夢見る杉浦はガックリである。

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