放課後
(C)1973 東宝
中西亜矢子と青木勉は隣同士で、同じ高校一年生、平凡なサラリーマンの家庭である。勉の父は一ヵ月前に函館へ転勤になったが、勉だけは東京に残ることになった。そして、家の階下を、父と同じ会社で遠縁にもあたる北沢研二、夏子夫婦に貸し、自分は二階に下宿しているような生活をしている。夏子は研二よりも一つ年上の姉さん女房で彼女も広告会社に勤めていた。ある土曜日の放課後、勉は亜矢子と友人のめぐみと一緒に神宮外苑で写真を撮っていると、研二が二人と同じクラスの小宮克彦の姉・由紀と一緒に、由紀の経営しているスナック“サンタナ”に入るところを目撃、それを写真におさめた。亜矢子は夏子にその写真を見せたが、彼女は平然としている。つぎに、克彦に由紀と研二のことを告げ口したが、克彦も平然とした態度。妖しい期待を裏切られた亜矢子の気持ちはおさまりがつかない。今度は夏子をつかまえて「研二さんが浮気をしている」とほのめかした。夏子の心にやっと火がついた。