震える舌
(C)1980 松竹
東京郊外に住むしあわせな三人家族。ひとり娘の昌子はある日、泥の中で蝶を追っていた。珍しい蝶を取り逃がしてしまった昌子は不思議な夢を見る。その話を聞いて嫌な予感がする父の昭。数日後、妻の邦江は娘の異常に気づく。昌子が食事中に食べ物をこぼし、後ろ姿も妙な歩き方になっているのだ。突然、絶叫しながら倒れこむ昌子! 歯に舌がはさまり、もがきながら顎はけいれんして動かない。病院へ運ばれながらも目を覆うばかりの発作が続く。運び込まれた昌子を診察した医師たちが驚きの声を上げる。「テタナスだ!」。昌子の幼い体には”悪魔”が棲みついている。しかしこれはまだ、この家族が巻きこまれた地獄絵図の入り口に過ぎなかった。