びっくり五十三次
(C)1954 松竹
旅烏お釈迦の金太郎は、母と妹に会いに故郷へ急ぐ道中、唄が縁でお夏というちゃっかり娘と道連れになった。お夏はお百婆さんと一緒で、お百は昔ダツキのお百と云われた女スリで、娘のお千、孫のお万と金谷の宿でひょうたん屋という宿屋を営んでいた。金太郎はお夏にけしかけられて、金比羅帰りの石松と賭博をして、身受山の貸元から香典として貰った五十両迄巻き上げてしまった。金太郎はお百の家で過すうちにお万と好意を抱き合うようになったが、お万が借金の事で浜千鳥の文吉の用人棒荒木又兵衛に難題をかけられていると聞いても、お袋に合う迄はといって耳をふさいでいた。居酒屋で金が足りず困っている石松に会った金太郎は、勘定を払ってやり、香典の五十両も帰してやった。