発禁本「美人乱舞」より 責める!
(C)1977 日活
深夜の荒れた老屋の静寂の中に、ロープのきしむ音が不気味に流れていた。ここは晴雨の画室。晴雨は股火鉢で酒を飲んでいる。その目の前には、息も絶え絶えのタエが後ろ手にしばられて吊るされ、失禁の液体がしたたり落ちていた。晴雨とタエの出会いは、タエのつとめていたカフェでだった。女房運のない男と亭主運のない女の出会い、それは同志のようでもあった。晴雨には、別れた妻が二人いた。シマとトキである。晴雨は、「責めはナレ合ってはいけません」と二人を全裸で天井に吊し、それを見て、冷酒をのむのが常であった。彼は、これぞと見込んだ女は逃さない。鋭い直感力にタエも虜となったのである。