泥の河
(C)木村プロダクション
高度成長期を迎えつつあった昭和31年の夏、大阪・安治川の河口。川べりに建つ食堂の子ども・信雄は、ある雨の朝、荷車から鉄くずを盗もうとしていた少年・喜一に出会う。喜一は川の対岸に繋がれたみすぼらしい宿船に、優しい姉・銀子と、姿を見せない母・笙子と共に暮らしていた。信雄の両親は姉弟に優しく接するが、信雄には「夜はあの船には近づくな」という。天神祭りの夜、信雄は喜一と一緒に祭に出かけるが、人ごみで小遣いを落としてしまう。喜一は信雄を慰めようと、自分の住む船に誘う…。