動脈列島
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新幹線ひかり号にニトログリセリンを使用した爆発物と脅迫状が発見された。新幹線による騒音と振動を除去しなければ、10日後に列車を転覆させる、というのだ。つづいて翌日、豊橋駅構内で同一人物の犯行と思われる脱線事故が発生した。国松警察庁長官は、警察庁犯罪科学研究所々長の滝川保を、この事件の捜査本部長に任命した。犯人の要求が名古屋の公害訴訟原告団と類似しているのを知った滝川は、新幹線公害の科学的根拠をレポートした医師・秋山宏に目をつけた。名古屋中央病院臨床研究医の秋山は、恋人の薬剤師・君原知子にニトログリセリンを持ち出させた後、ヨーロッパ旅行に出かけると告げ、姿を消していた。