生きている小平次

(C)1957 東宝
奥州は郡山、安積沼の舟上で相争う二人の男。旅廻りの芝居一座、一人は役者の小平次、もう一人は囃子方の太九郎である。小平次の女だったおちかを、そのねんごろな仲を知りながら、手の早い太九郎は、人を介して自分の女房にしてしまったのだ。惚れて惚れ抜いた女を他人に奪われて、今日の小平次は踏んでも蹴られても自分の願いを聞いてもらおうと必死であった。だが、太九郎も一緒に暮してしまえば女遊びは女遊び、おちかと手を切るなどとは思いも寄らぬこと。あまりの執念深さに堪りかねた太九郎は、カッとなって舟板で小平次に殴りかかった。

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