続・名もなく貧しく美しく 父と子
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片山一郎は大学を優秀な成績で卒業したが、父道夫がロウ者というだけで有名会社にも入れず、しがない工員として働いていた。その一郎に、宮田夕子という恋人ができた。だが、一郎の父道夫がロウ者で、死んだ妻の秋子もロウ者であると知った夕子は、一郎から離れていった。ヤケになった一郎は工場もやめ、祖母のたまから小遣をせびり、悪い仲間と遊び歩くようになった。ある晩、酒場でグチっぽく身の上をホステスに話しながら飲んでいた一郎は、堺木工の社長・堺新太郎から“俺の会社に来い”と入社を勧められた。一郎には夢のような話だった。一郎は堺木工で生まれかわったように働いた。やがて一郎は係長に抜擢され、父道夫と一緒に堺の自宅に招待された。それは堺の一人娘美世との見合だった。