姿三四郎
明治十六年、柔道が世人の注目を浴び出したころ、矢野正五郎は隆冒寺に紘道館を構え、従来の柔術に新理論を加え、その地位を高めようと意欲を燃やしていた。ある夜、正五郎は折あらば粉砕の野望を抱いていた門馬一味に襲われた。その現場に車夫として居合わせた、姿三四郎は、毅然とした正五郎の態度に惚れ込み、紘道館へ入門した。三四郎の柔術への情熱は異常なほどであった。正五郎はそんな姿をみるにつけ人間としてのあり方を教えるのだが、三四郎は恩師の言葉に反撥して、寺の蓮池にとびこんでしまった。
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