自転車吐息
豊川市に住む史郎は、悶々とした日々を過ごす三浪の予備校生。ある障害を自力で克服した妹・方子が自転車で新聞配達をしているのを見ならって自らも始める史郎だったが、それと入れ替わりに方子はやめてしまうのだった。史郎は高校時代の仲間の圭太と一緒に作った8ミリ映画「一塁」の未完成が気になっていた。圭太を誘いもう一度再開しようとアイディアを持ちかける史郎だったが、受験のことで閉鎖的な心情の圭太は、あまり乗り気ではなかった。そんな時、東京の大学に進学した仲間の京子が帰ってくる。戸惑いながらも京子の家へ行く圭太。しかしそこには京子の大学の先輩も居合わせ、圭太は飛び出してしまうのだった。