カナカナ
塚本徳子は29歳。煮え切らない恋人との同棲生活にピリオドを打ち実家に戻ったものの、婚期を気にする母とはいさかいが絶えない。そんなある日、徳子は母親が蒸発してひとりぼっちで暮らす中学生・隆人と出会い、次第に彼の面倒を見るようになる。いつしか不思議な絆で結ばれた2人は、狭いアパートの一室で暮らし始め、母と息子のように、ある瞬間には恋人同士のように寄り添っていく。カナカナ(ひぐらし)も鳴くことを忘れたまぼろしの夏、そんな短い夏の最後のページに、徳子が見つけた答えとは…?
TOP