おはなはん

明治36年、おはなはんこと浅尾はなは、親友早川紀代らと共に、松山県立女学校を卒業し、父母の待つ大洲に帰ってきた。ところが、父平造から、突然連隊長の仲人で速水中尉との縁談が決っていると知らされ驚いた。しかも明日、速水が来るという。見合結婚では気の乗らないおはなはんは一計を案じ、樫の木の上から速水を迎えた。お転婆ぶりを発揮して破談にしてしまおうというつもりだったが、やって来た速水も破談しに来たというので拍子抜けだった。日露間が怪しくなっているいま、軍人が妻を娶ることはできない、というのが彼の理由だった。

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