丑三つの村
(C)1983 松竹
まだ戦時下にあった昭和13年。山あいに数十戸が点在するだけの小さな村。村一番の秀才と誉めそやされていた青年は、兵士として国のために立派に戦うことこそが男としての生き方だと信じていた。ところが、結核と診断されてしまった彼はその望みを断たれる。あろうことか村人たちからもつまはじきにされる。自分が生まれ育った閉鎖的な村の、汚れきった血、汚れきった人間関係…。「みなさま方よ、今にみておれでございますよ…」。ぎりぎりのところまで追いつめられ、狂気に駆り立てられた青年。二本の懐中電灯を鉢巻きに差し、改造銃と日本刀で武装し、銃口を、憎しみの刃を村人たちに突き付けた。そしてついに大量殺戮の火蓋が切られ! 彼が向かったのは、たった一人の戦場だったのである…。