愛の讃歌
(C)1967 松竹
瀬戸内海に浮ぶ日永島の波止場に、倉堂と連絡船の切符売場を兼ねている待帆亭がある。主人の千造と息子の竜太、そして竜太の恋人春子がそこで働いていたが、待帆亭は診療所の医師でクリスチャンの伊作、マッサージ師五平、旅館備後屋の主人、それに連絡船の船長が毎日、世間話をしに集ってくる場所でもあった。ある日工業学校を出た竜太が南米の新天地に憧れてこの島を出ていった。千造は怒り、春子は泣いたが、若者竜太の夢は大きかった。既に竜太の子を宿していた春子は半ば竜太を諦めながらも、伊作の診療所で男児を出産した。