明治末期。北アルプスの山々に囲まれた地で育った青年・瀧井孝作は、父親の事業が失敗し丁稚奉公に出され、窮屈な日々を過ごしていた。幼い頃に兄や母を亡くし、寂しい孝作の拠り所は俳句に没頭すること。そんなある日、西洋料理屋の女中・玉と出会う。美しい年上の女性の魅力に孝作は惹かれていく。
“堤長き 並松月夜 涼み行く”
孝作は、心からの玉への気持ちを句にしたためた。玉との距離が縮まったと思っていた孝作だったが、次第に玉の言動や噂から不信が募っていく。そんな折、玉と訪れた店で三味線芸者の鶴昇と出会う。鶴昇の端麗でどこか悲しげな姿に心奪われ、玉が孝作の元から去った後、鶴昇にのめり込み始める。今までにない感情に翻弄される孝作は、次第に俳句からも遠ざかってしまう——。
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初めての女
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2024年6月22日(土)公開