岡山県北部の山間の町、奈義町(なぎちょう)。人口6,000人のこの町に陸上自衛隊「日本原演習場」がある。日露戦争後に旧陸軍が村々を強制買収して設置、占領軍に接収されたのち自衛隊に引き継がれ、今日に至る。奈義町は自衛隊との「共存共栄」を謳ってきた。日本原では昔から地元住民が山に入って土地を共同利用する「入会」が行なわれ、演習場内の耕作権などが防衛省から認められている。しかし、いまや場内で耕作しているのは本作の主人公・内藤秀之さん一家だけとなった。ヒデさんと親しまれる内藤さんは50年にわたり牛を飼い、田畑を耕してきた。彼を知る人は言う。「ヒデさんは医者にならずに婿入りして牛飼いになったんよ」。1960年代の終わり、岡山大学の医学生だったヒデさんは、なぜ牛飼いになったのか?
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日本原 牛と人の大地
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2022年9月17日(土)公開