菅野家の次男・海は、母方の祖父の葬儀の席で、長男・一矢が出席していないこと、 20年前に亡くなった海たちの父親の墓を建てていないことを叔父たちに責められていた。のらりくらりと責めをかわす海に、興奮した叔父が受け入れ難い言葉を吐く…。なんと、3歳下の妹・環菜が、自分とは本当の兄妹ではないと言うのだ。帰宅後、母親に真実を問う海であったが埒はあかず、数年前に北海道に行ったきり戻ってこない不仲の長男・一矢に会うために、海は北の大地に向け旅立つのであった。一方、亡き父の故郷で。先祖代々受け継がれてきた矢筒の伝承を辿ろうとしている長男・一矢。その伝承とは、自分たちの先祖、弓の名手・イソンクルが、敵の将を射ずに、矢を捨て姿を消したという言い伝えであった。代々受け渡されて来たという矢筒を手に、一矢の思念は350年前のアイヌモシリへと飛び交錯し絡み合い始めるのであった。
※イソンクルの「ル」は小文字
■公式サイト
永遠ノ矢トワノアイ
(C)オフィス33
2022年10月22日(土)公開