土佐和紙の原料となる楮(こうぞ)をめぐる山里の人々の暮らしを記録したドキュメンタリー。
高知県の中でもローカルな方言である「へぐる」は、
特殊な包丁で土佐楮の皮から表皮部分を削ぎ取る作業のことを指す。
高知県の山あいの町で楮を丁寧にへぐっていく90代の女性たち。
楮の外皮を何度も削り落とし、繊維だけを残していく。
そうすることで、楮は1000年以上の耐久性を持つといわれる
和紙へと生まれ変わっていく。
その手わざや佇まいからは、世代を越えて
受け継がれてきた山里の暮らしが見え隠れする。
手間もかかり大量生産もできず、継承者もいないことから
やがて失われてしまうのではないかと言われているへぐりの作業をはじめ、
楮を栽培し、紙を漉いてきた人たちの暮らし、
そして和紙の文化そのものを通して、
効率性や利便性を求めるがゆえに余裕が失われてしまった
現代社会の日常を見つめ直していく。
■公式サイト
明日をへぐる
2021年9月11日(土)公開