楡周平原作の「サンセット・サンライズ」(講談社)が、映画『サンセット・サンライズ』として、2025年1月に全国公開されることが決定した。
監督は、2023年の『正欲』で、第36回東京国際映画祭最優秀監督賞と観客賞を受賞した岸善幸。脚本は、常に話題作を連発し続ける宮藤官九郎。主演は、『あゝ、荒野』(17)で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞ほか数々の映画賞を受賞して以来7年ぶりに岸監督とタッグを組んだ菅田将暉。異色のコラボともいえる豪華タッグで、近年特に若い世代にも注目され様々なメディアでも取り上げられている“移住”をテーマに、現代を生きるわたしたちの〈新しい幸せのカタチ〉を描く。
書いたドラマは必ず注目を集めるといえるほど、期待と信頼を一身に浴びる宮藤官九郎が脚本を手がけ、『正欲』(23)の岸善幸監督との異色のコラボレーションから生まれた本作。都会から移住したサラリーマンと宮城県・南三陸で生きる住民との交流や、人々の力強さや温かさをユーモアたっぷりに描き、その背景にあるコロナ禍の日本、過疎化に悩む地方、震災などの社会問題と向き合いながら豊かなエンターテインメントに転化させたヒューマン・コメディ。東京から三陸へ“お試し移住”する晋作は、自分に正直に生きるエネルギーで人の心を動かしつないでいくキャラクター。等身大の存在感を保ちつつ軽やかな息吹を晋作に吹き込んだ主演の菅田将暉は、岸善幸監督とは7年ぶりのタッグとなる。『あゝ、荒野』を撮り終わった後、監督と「次は笑える作品がいいよね」と話し、「沢山涙を流したからか自然と笑顔を求めていたように思う」と本作に出演した思いを振り返る。初出演となる宮藤官九郎脚本については、「悲しみの先に笑顔を作ろうとする人たちの物語」で、「岸さんの生活力と宮藤さんのセンス、お二人の想いが温かい願いとなってこの作品は生まれたんだと思います。」と豪華タッグで生み出された本作の魅力についてコメント。そして、笑顔でいっぱいの現場では「僕自身沢山笑い、ほんの少し泣きました。」と撮影時を振り返った。
菅田将暉と7年ぶりに撮影に挑んだ岸善幸監督は、「晋作という人物の優しさや繊細さ、感情の振れ幅は見事で、現場ではただただ笑い転げていました。菅田さんの表現領域が広がっていくような瞬間があって、それを目の当たりにできたことが本当に嬉しかったです。 」と菅田と再びタッグを組んだ想いを語った。そして脚本の宮藤については、同じ東北出身でもあることから、原作の東北人の描写に笑い合ったと言い「自分にとっては初めてのコメディ作品ですが、宮藤さんならではの笑いを大切に演出することを心がけました。」とコメントした。
脚本の宮藤官九郎は、本作の舞台・宮城県気仙沼市について、宮城県出身の宮藤は「そういえば⾃分の地元を正⾯から描いたことはまだなかった」とし、「子供の頃は父親と南三陸で魚釣りをして遊んだりしてて、自分の好きな分野の話だし、舞台も方言も知っている土地と言葉だし、僕自身も地元に住んでテレワークで仕事できないかなと考えたことがあったので、他人事とは思えない物語でした。」と脚本執筆時を振り返った。さらに、菅田将暉については、これまで自身の脚本作品では“食”をあまり描いてこなかったことを踏まえて「(郷土料理のどんこ汁を)菅田君が本当に嬉しそうに食べているのが僕の映画じゃないみたいですごく好きです。」とコメントした。
映画化にあたり企画・プロデュースの佐藤順子は「コロナ後に2年振りに田舎に里帰りした時に、たった2年でガラッと変わってしまった町を見て、地方はどうなってしまうのか?と不安な気持ちになりました。空き家問題や地方と都会の交流で生まれる物語をこのチームで作ることにこだわりました。少しでも観客の皆さまに明るく新鮮な気持ちになってもらいたいと。本作の中に詰まった作りての想いを皆さんに届けられたら嬉しいです。」と製作のきっかけを語った。
合わせて解禁された、第一弾ビジュアルは、釣り好きの晋作が今まさに“なにか”を釣り上げた瞬間を切り取ったカット。「新しい生き方、釣れちゃった!?」のコピーからは、“お試し移住”した先で思いもよらない人生が待ち受けていることがわかる。晋作の笑顔から、移住先での新しい出会いに期待が高まるビジュアルとなっている。
2025年1月全国公開