マルコ・ベロッキオ監督・脚本による『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』より本編映像が到着した。
ユダヤ人街で暮らしていた、7歳を迎えるエドガルド・モルターラが教皇領の警察により連れ去られた「エドガルド・モルターラ誘拐事件」。スティーヴン・スピルバーグが魅了され、映像化に向けて書籍の原作権を押さえたことでも知られているが、映画化を実現したのはイタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ。幼少期のエドガルドに、北イタリアでの2,000人以上のオーディションで選ばれた演技未経験の新星エネア・サラ、エドガルドの父モモロにベロッキオ監督作品常連であるファウスト・ルッソ・アレジ、母マリアンナを『甘き人生』以来のベロッキオ作品出演となるバルバラ・ロンキが演じる。先日発表されたイタリアアカデミー賞ことダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞ノミネーションでは作品賞、監督賞、主演女優賞(バルバラ・ロンキ)他11部門にノミネートされた。
「何者かに洗礼を受けた」との報から24時間。教皇領の警察の立ち合いの元、見つめ合うモモロとエドガルド。ユダヤ教の祈り、「シェマ」が書かれた紙を納めた容器メズーザを手渡し「肌身離さずに」持っているよう伝える。「頭を切られるのかな」「何もされないよ」という言葉少なな会話からは、この後に待ち受ける未知の運命への恐れが感じられる。額へのキスを受け、零れる涙を抑えられないエドガルド。同席するルチディ補佐官の「神は見放しません」という台詞も虚しく響くばかり。「パパも一緒だ」「別の馬車で来てくれるよ」という慰め虚しく、事態を察したエドガルドの「パパ 行かないで」という声をきっかけに、彼を抱き上げるモモロ。すると教皇領の警察が、エドガルドを体ごと持ち上げそのまま馬車に連れ去ろうとする―。
■『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』本編映像
「話が違うぞ!」「誘拐される!」という大人たちの怒号も虚しく、「パパ!」という叫びに喉を枯らしたまま、そのまま馬車に乗せられてしまうエドガルド。小さな窓から見つめる目に宿る絶望に、我々も息を呑む。「その瞳の表情に衝撃を受けた」とベロッキオ監督が讃える彼の演技をスクリーンで見届けて欲しい。
4月26日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、T・ジョイPRINCE品川他にてロードショー