『子宮に沈める』『飢えたライオン』の緒方貴臣監督最新作『シンデレラガール』より、予告編、追加場面写真及び、車椅子アイドルの猪狩ともか(仮面女子)、義足モデルの海音、義足ユーザーの身体表現者である大前光市の推薦コメントが解禁となった。
12歳の時に病気で⽚脚を切断した音羽。その後も⼊退院を繰り返し、中学校の卒業式にも参加できなかった。そんな⾳⽻のために、クラスメイトたちがサプライズの卒業式を病院の屋上でして、その動画がSNSで話題になり、音羽にモデルのオファーが舞い込む。義⾜の⼥⼦⾼校⽣モデルという特異性もあり、一時的に注⽬されるも、その後のモデルとしての仕事は義⾜を隠したものばかりだった…。
主演は「推しが武道館いってくれたら死ぬ」では主人公の推しを演じ、JTB「いよいよ海外旅行はじまる」などCMでも活躍中の伊礼姫奈。演技力の高さと圧倒的な存在感で、今後ブレイクすること必至である。主人公・音羽の人生に大きな影響を与えるファッションデザイナー・五十嵐役で、『淵に立つ』、『よこがお』、『波紋』主演の国内外から圧倒的な支持を得る筒井真理子が参加し、作品の世界観により厚みを持たせている。
大阪2児放置死事件を基にした『子宮に沈める』(13)、フェイクニュースによって自殺に追い込まれる少女とメディアの過熱報道による現代社会の歪みを描いた『飢えたライオン』(17)。誰もが被害者にも加害者にもなりうる世界を容赦なく描き、問題作を発表し続けてきた緒方貴臣監督が、最新作『シンデレラガール』では、進行性筋ジストロフィー(PMD)と診断されたモデルでもある森山風歩らの監修の元、「義足は障がいの象徴」とネガティブに捉えていた主人公の義足のモデルやそのマネージャーが、ポジティブに捉えられるようになるまでの心の変化を描く。
シンデレラコンプレックス(Cinderella complex)とは、男性に高い理想を追い求め続ける、女性の潜在意識にある「依存的願望」を指摘したシンドロームの名称。本作『シンデレラガール』は、「魔法」や「白馬の王子様」に依存した他力本願な、前時代的女性像である「シンデレラ」へのアンチテーゼとなる作品である。
■『シンデレラガール』予告編
<猪狩ともか(仮面女子/車椅子6年目)>コメント
新たな夢へ向かう時、自分自身の熱意はもちろん、周囲に信じて応援してくれる人がいることでグッとその夢に近づいていけるのだなと感じました。
「義足があなたのアイデンティティのひとつであることは間違いない。でも義足だけがあなたのアイデンティティでもない。」という台詞がとても心に残っています。私も車椅子で活動をしているとどうしても車椅子にフォーカスが当たりますが、それだけじゃない自分のアイデンティティをちゃんと確立していけるよう頑張ろうと思えました。
<海音(義足モデル)>コメント
ハンディーキャップがある=可哀想。痛そう。という印象があると思います。皆さんも、人と違う部分は嫌な部分で隠したいと思うかもしれないですが、『シンデレラガール』を見て、そこは、自分にしかない、自分の個性だと思って欲しいと思いました。
そして、自信を持って『シンデレラガール』の主人公のように自分の夢を諦めずに追いかけて欲しい、そんな世の中になって欲しいと思いました!
<大前光市(身体表現者/義足ユーザー)>コメント
義足とは、人間の魅力を引き出して、自分が何をするべきか考え、迷いを無くしてくれる試練アイテムなのではないか?!と思えてくる。これは架空の世界の物語ではない。リアル世界をたった1時間に切り取り凝縮させた、半分ノンフィクション。この映画からは、無力な孤独、何も出来ないときの時間の流れ、沢山の人から応援される感謝、そして夢にフォーカスを持ち続ける意志の力強さを感じる。上手くいかなくて立ち止まりながらも、人生のランウェイを一歩ずつ先に向かって、どんな形であれ歩み続けているリアルシンデレラが沢山いることを知ってほしい。
本作は、10月20日(金)まで、全国公開に向けたクラウドファンデングを実施中。1000円からのリターンコースがあり、前売り券付きや、キャストのサイン入りの台本などが送られるリターンなどもある。
11月18日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開