「Vogue」などのファッション誌を中心に活躍し、資生堂の企業文化誌「花椿」に掲載された犬の未発表写真が第35回朝日広告賞でグランプリを受賞した写真家で映像作家の大山千賀子が、実際にあった事件にインスピレーションを得て描いたオリジナルストーリー『僕の名前はルシアン』より、場面写真と栁俊太郎のコメントが到着した。
愛を求める孤独な10代の少女・あかねは、インターネットで「ルシアン」と名乗る理想的な男と知り合う。同じころ、ある連続殺人犯を追っていた警察は、同じ犯人が手を下したと思われる、3人目の女性の全裸遺体を発見。遺体に暴行の痕跡はなく、犯行動機もわからないままで、捜査は難航していくが……。
本作は、自殺願望を抱えた若者たちが同じ願望を共有するサイトで知り合うところから始まるミステリー。監督は、美しいサイコパス・ルシアンのイメージを求め、いくつもの事務所に電話をかけ、訪問。遠くに立っている栁俊太郎を一目見た瞬時にルシアンだと思い、即決。『東京喰種 トーキョーグール』『るろうに剣心 最終章 The Final』『カラダ探し』『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』など話題作に多数出演する俳優・モデルの栁俊太郎の映画初主演作となった。そのほか菜葉菜、大鶴義丹、大島葉子らベテラン実力派や、元読売ジャイアンツの定岡正二も出演。
誰もが心の片隅に持っている"孤独"、誰もが心の奥底で必要としている"愛"。今生きている自分と今起こっている現象を作品にしたいと制作活動をしている大山千賀子が、日本アカデミー賞最優秀撮影賞受賞の市川修とCM界の巨匠の照明技師・渡辺光雄、美術・磯見俊裕(『ラーゲリより愛を込めて』)、音楽・篠崎正嗣(『ラストエンペラー』胡弓演奏)らとタッグを組み、おとぎ話のような"一瞬の愛"を美しい映画に仕立て上げた。写真家としての大山千賀子のライフワークとして「裸体」への取り組みがある。我々が纏っている肌の質感、テクスチャー、肌が持つ歴史を雄弁に語る「裸」が、本作にも効果的に登場する。監督は、水中撮影にもこだわり、6mの深さのタンクを求めて、イギリスのエセックスで撮影を敢行。日英合作映画となった。
<主演:栁俊太郎 コメント>
この作品は約10年程前に撮影していて、その時は大山さんの熱い想いに応えられるかというプレッシャーはありましたが、役者としての当時経験がまだ浅い自分に興味を持って頂き率直に嬉しかったです。
ルシアンという現代社会が生んだモンスターを演じるということはとても恐怖があり、感情を理解することに苦しむこともたくさんありましたが、現場では怖くて離れていきそうなルシアンの感情を離れないように抱え込むよう意識しました。
役者を始める前から観に行っていたユーロスペースで上映していただけるということは自分にとってとても嬉しいことです。
インディペンデントの作品といえばユーロに観に行くという印象があったので、自分の作品が上映されると思うととても感慨深いです。
約10年くらい前に撮影したのですが、その時の丸裸になった感情をみられることはちょっと恥ずかしくもありながら精一杯演じましたし、大山監督の独特な世界をぜひご覧ください。
9月29日(金)~10月12日(木)渋谷・ユーロスペースほか全国順次公開