もう一度観たいあの映画 VOL.18 『スリー・ビルボード』
出演:フランシス・マクド―マンド、ウディ・ハレルソン、サム・ロックウェル
【STORY】
米ミズーリ州の片田舎の町。何者かに娘を殺された主婦のミルドレッドは、犯人を逮捕できない警察に業を煮やし、町はずれにある巨大な広告看板に解決しない事件への抗議メッセージを掲出する。それを快く思わない警察や住民とミルドレッドの間には埋まらない溝が生まれ、いさかいが絶えなくなる。そして事態は思わぬ方向へと転がっていく…。
【REVIEW】
第90回アカデミー賞で、フランシス・マクドーマンドが主演女優賞、サム・ロックウェルが助演男優賞を受賞、ウディ・ハレルソンも助演男優賞にノミネートされた作品です。それだけにこの3人が演じる登場人物が個性的で、とても印象的な映画です。
まずは主人公、何者かにレイプされ殺された娘の母親=ミルドレッド(フランシス・マクド―マンド)。ミルドレッドは犯人がなかなか捕まらず、何の進展もない捜査状況に腹を立てて、映画のタイトルにもなっている3枚の大型広告看板にメッセージを書き込みます。「レイプされて死亡」「なぜ?ウィロビー署長」「犯人逮捕はまだ?」…警察署長あての強烈なメッセージです。このミルドレッド、怒りにみなぎっていて、これから警察と戦うぞ~と言わんばかりのジャンプスーツとバンダナに身を包んで登場します。
一方、半ばケンカを売られた形の警察署長ウィロビー(ウディ・ハレルソン)。家庭では愛妻家で良き父、町の人からも慕われている良心的で誠実な男です。ただ、本人は末期がんをかかえ、人生のエンディングに悩んでいます。そんな時にミルドレッドがテレビに出演して、「犯罪が放置されているのは署長の責任だ」とまで言われてしまいます。この事件を早く解決して、人生の終盤を迎えたいウィロビーとっては、耐え難い屈辱的な仕打ちです。
そして、署長の部下ディクソン巡査(サム・ロックウェル)。人種差別主義者でマザコンで教養もなく暴力的、よく警官になれたなって感じの人物です。看板を見つけたディクソンは、早速広告看板を取り付けた広告会社に乗り込んで、担当者をボコボコにします。
こうして物語は、ミルドレッド対警察の構図に。さらに署長を敬愛する町の人々もミルドレッドに反発、さらに姉の死を悲しむ一人息子からも反発され、彼女は孤立無援で戦いを挑むことになります。それでも一歩も引かないミルドレッド、娘を殺した犯人を捕まえたい一心で、とうとうとんでもない事件を引き起こします。3人の人生が軌道を外れていく姿を描くクライム・サスペンス、真犯人は見つかるのか…予測できない結末が待ち受けています。
フランシス・マクドーマンド、第93回アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされています。
結果発表は4/26(月)です。
◇『ノマランド』現在公開中
フランシス・マクドーマンド、この映画でもアカデミー賞主演女優賞に輝いています。
今年の「午前十時の映画祭11」のラインアップにもあがっている作品です。
◇『ファーゴ』
◇『午前十時の映画祭11』
ウディ・ハレルソン主演のコメディ系のゾンビもの、今となっては豪華キャストの出演作品です。
◇『ゾンビランド』
サム・ロックウェル、この映画では爆弾テロの容疑者となった警備員を助ける正義感の強い弁護士を演じています。
◇『リチャード・ジュエル』
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◇『もう一度観たいあの映画』
もう一度観たいあの映画 VOL.18 『スリー・ビルボード』
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