2月22日(土)公開日決定!『風に立つ愛子さん』予告編解禁!コメント到着!

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12月17日(火)

ポレポレ東中野にて公開される『風に立つ愛子さん』の公開日が2025年2月22日(土)に決定し、予告編、そして各界からコメントの第一弾が解禁された。

解禁された予告編は、避難所から仮設住宅に引っ越したばかりの愛子さんの姿から幕を開ける。殺風景な新居に着いた途端にうずくまり、「津波で凍ってた心が溶けたから涙ばっかり出る」と泣いてしまう愛子さん。その後、新しい生活にも少しずつ馴染んでいき、同じ仮設住宅の人々とも交流している姿が描かれていく。そんななか、少しずつ自分の半生をカメラに向かって語りかけるようになる愛子さん。仙台でひとりお店を始めたこと、ひとりで母の介護をしていたこと。ずっと孤独だった、彼女の半生。人生の終盤を迎えるころに、大津波が彼女を襲った。その津波で、家ごと流されていくときの様子を話している姿が予告編にも捉えられている。「津波は自殺じゃないから、波がもっていくんだから、(流されて)いこうと思って…」と語る姿はひとりで生きてきた愛子さんの孤独がにじみ出ている発言だろう。その後、震災当時の避難所での生活の様子を「あの頃に戻りたいよう。さわやかにすがすがしく生きていたあの時代に」と語り、混乱の最中ながらも、一緒に避難所で生活していた人々とのあたたかい交流が映し出される。
ひとりで生き、ひとりで死んでいくと思っていた愛子さんに、あの津波が初めて幸せを運んでくれた。その8年間にわたる、心と言葉の軌跡が本作に描かれている。予告編の最後では、「いやだ! いらない! 思い出なんかなくていい!!」と絶叫する愛子さんの姿が捉えられ、山崎ハコさんの「たった一人だという孤独は、牙なのだとわかった。」というコメントで締めくくられている。

『風に立つ愛子さん』予告編

山崎ハコ(シンガーソングライター・俳優)、安田菜津紀(メディアNPO Dialogue for People副代表/フォトジャーナリスト)、寺田和弘(映画監督 『「生きる」大川小学校津波裁判を闘った人たち』)、炎上寺ルイコ(インディーズ演歌歌手)、村上浩康(映画監督 『あなたのおみとり』)、工藤弘子/(『石巻市立湊小学校避難所』出演、ケアマネージャー)、土屋トカチ(映画監督)ら7名(順不同)、そして本作を監督した藤川佳三からもコメントが到着した。

◆山崎ハコ(シンガーソングライター・俳優)
ずっと独り暮らしだった愛子さんは、避難所で家族を得た様にワイワイと暮らす。仮設住宅が当たっても外に出て人と笑って話す。更に復興住宅が当たると、震災を生き延びた強かりし年寄りはいとも簡単に壊されていく。人の為の住宅で。「津波で凍っていた心が溶け出したから涙ばかり出る。」と泣いた愛子さん。「私が生きてたって事わかってくれる人いるよね!」と喜んだ愛子さん。たった一人だという孤独は、牙なのだとわかった。

◆安田菜津紀(メディアNPO Dialogue for People副代表/フォトジャーナリスト)
愛子さん、あなたの生きた道のりは、過去の「思い出」になる前に、今、私たちに届きましたよ。

◆寺田和弘(映画監督 『「生きる」大川小学校津波裁判を闘った人たち』)
この作品には「愛」が溢れている。
愛子さんは歩んできた人生の記録を藤川監督に託した。藤川監督はそれを受け止めカメラを回し続けた。それは二人の「愛」の記録として映画となった。
そして、この作品を観て気づく。
孤独や絶望が続くことはないことを。「愛」は私にも、あなたにも出会う機会があることを。

◆炎上寺ルイコ(インディーズ演歌歌手)
高齢女性で一人暮らし、しかも過酷な災害経験を持つ市井の人の抱える様々な葛藤。そして生き抜くために模索し獲得していく深淵なる人生哲学。作品は藤川監督が愛子さんの感性に呼応する様子が綴られていき、こちらも彼女の痛み喜びを共有していくような感覚に包まれる。見終わった後は監督の「誰一人も取り残さない社会への希求」が静かなメッセージとなって心の底にじんわり広がっていった。

◆村上浩康(映画監督 『あなたのおみとり』)
愛子さんは稀有な語り部だ。自分の人生を物語のように饒舌に語る。楽しい思い出も辛い体験も、物語として受け止めていくことで彼女は生き抜いてきたのだろう。あの震災さえも「津波様」と言って、人生の物語の中で必然化してしまう。そして愛子さんは藤川監督と出会う。愛子さんが自分に向けて綴ってきた物語は、藤川監督のカメラを通して私たちへ繋がる確かな現実となった。ドキュメンタリーが背負うものを、この映画は鮮やかに提示している。

◆工藤弘子(「石巻市立湊小学校避難所」出演、ケアマネージャー)
1人の名もなき石巻の女。その個性は稀有な存在であり、妖精であり、ファンタジーだ。母を看取り愛情溢れた他者への関わりも又、彼女の特性であり魅力だ。最後まで関わってくれてありがたい。全てが震災のもたらした恵みと学びの賜物で、あの日からずっと探していたものが、また収穫でき、失っただけじゃない、私の宝物が追加された。

◆土屋トカチ(映画監督)
前作『石巻市立湊小学校避難所』で、藤川監督と愛子さんは偶然出会った。 あふれる想い出を、途切れることなく話す愛子さん。 孤独な魂は解放され、幼女のような瑞々しさが残った。強く思う。二人の出会いは、必然だった。3.11から14年。あの津波が運んできた、忘れ物のような映画。見つけてくれてありがとう。

◆藤川佳三(本作監督)
私たちは、今、いつ被災するか分からない世界に住んでいる。
2011年の東日本大震災の後、私は石巻の避難所で大きな縁ができた。
村上愛子さん(当時69歳)に出会った。そこから8年間のお付き合いになった。
愛子さんは、震災前からひとり暮らしだったが、
避難所になった小学校で同じく避難した人々と家族のような関係を築いた。
しかし仮設住宅、復興住宅へと住まいが移り変わることによって、
徐々に人との関わりが減っていった。
一人暮らしの高齢者の苦悩。
そして何年経っても、津波の傷が癒えることのない虚しさ。
決して愛子さんだけの問題ではない。
多くの方が、感じていることだと思う。震災は、今も続いている。
私は、この映画で心を残したいと思ったのだ。
愛子さんは、ご自身の言葉で津波に遭った人生を語った。
言葉には、おそらく浄化作用がある。
その場にいたその経験をした、その時代にいた人間の生の感情、気持ち、記憶。
当事者にしか分からない智見がある。
今一度、耳を傾けてみてはどうだろう。多くの問いかけがあると私は感じている。
私たちは、震災の後をどのように生きていくのか。

2025年2月22日(土)よりポレポレ東中野にて公開!以降順次

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